文楽好きな方へご推薦 「とうざい」田牧大和著

2013年3月11日更新

 

文楽好きな方へご推薦
「とうざい」田牧大和著

とうざい書影
時代小説作家田牧大和の最新作は大坂の竹本座、豊竹座ではなく、江戸の浄瑠璃の小屋、松輪座が舞台。
この中には江戸時代の風俗、人形浄瑠璃芝居小屋での人間模様が、生き生きと描かれている。田牧大和は江戸時代の歌舞伎小屋を舞台にした「濱次お役者双六」シリーズで、江戸の風俗と登場人物それぞれの人間味が丁寧に書き込まれている作家として知られているが、この本は“江戸の人形浄瑠璃小屋”が舞台、文楽好きとしてはこの上なく興味深い世界に案内してもらった気がする。

江戸の町、芝居小屋の世界、人形浄瑠璃、、、最後に出てくる新作浄瑠璃『浜千鳥仇討行方』などはぜひ完成させて観てみたいほど引き込まれて読ませてもらった。
小説を書くにあたり、大夫、三味線、人形遣いはじめ、文楽関係者からの取材を重ね、かつ何回も文楽を観劇して執筆したと聞いている。勿論小説であるから彼らは出てこないが、文楽を支えている人達に喜んでもらえる本が出来たのではないかと思う。
文楽に出てくるのは基本的には上方の町であるが、江戸時代の江戸の人形浄瑠璃を知るのはとても興味深いし、まずは小説として面白い。文楽好きの方はぜひご一読をお勧めしたい。

 

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本の帯/
人形が解く。人の心と江戸の謎---
柄は大きいが気は小さい。若き紋下太夫の竹本雲雀大夫。
役者も裸足で逃げ出す色男、人形遣いの吉田八十次郎。
木挽町は松輪座に、今日も舞い込む難事件!

 

「ここのところは、江戸でも人形浄瑠璃が評判やそうですな」
「上方の竹本座、豊竹座にも負けやせんぜ」
「一番評判の小屋いうたら、どこやろか」
「そりゃあ、木挽町の松輪座でごぜぇやすよ」
「ほう、ほう」
「なんといっても、一番の売りは『氷の八十次』だ。こいつが、操る人形もかくや、中村座の二枚目役者も裸足で逃げ出すってぇ色男でしたね----」
(本文より)

 

「とうざい」田牧大和著 講談社1400円

こちらから購入できます。

 

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講談社のPR誌「本」に田牧氏が寄稿した、
「とうざい」に関するエッセイが、
「現代ビジネス」に転載されています。

 

大阪取材でのことを、主に語っていますが、
技芸員の方の芸に対する考え方が興味深いです。

 

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34939




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