人間、やっぱり情でんなぁ 竹本住大夫
2014年10月7日更新
「人間、やっぱり情でんなぁ」
楽文楽のインタビューもさせて頂き、今年89歳で引退なされた住大夫師匠が素敵なご本を上梓されました。
本の中でこのようにおっしゃっています。「浄瑠璃はこころで語るもんです」
ぜひご一読を!!
<本書の内容>
今年 5月に 引退した文楽大夫・人間国宝の竹本住大夫さん。大阪での引退公演は、国立文楽劇場がはじまって以来の入場者2万9000人を記録。引退の模様は大きなニュースとなりました。
このたび舞台を降りてはじめて、修業68年の芸真髄を語ります。戦後、組合問題がもとで文楽二派に分裂した時代の窮乏生活。橋下徹大阪市長と補助金問題で交渉のさなか、脳梗塞に倒れ浄瑠璃でリハビリをつづけたこと。それでも、偉大な先人たちの存在と「文楽が好きで好きでたまらん」から続けてこられた――やわらかな大阪弁で、温かく時に厳しく語られる住大夫さんの人生はそのまま、仕事や生き方に悩む次世代へのメッセージでもあります。
「若いうちは裕福になったらあきまへん」
「成ってもらんでも、一生賭けるから修業です」
「テープやビデオは、悪いとこを叱ってくれまへん」
この秋に満90歳を迎えられる住大夫さんは、日本人と文楽のこれからに ますます熱くエールを送られています。
【目次】
第一章 春のなごりに ~引退まで
第二章 師匠、先輩、弟子 ~修業とリハビリの日々
第三章 貧乏には勝たなあかん ~三和会の長い旅
第四章 デンデンに行こう ~私が育った戦前の大阪
第五章 文楽道場に生きる ~教えること・教わること
第六章 そして文楽はつづく
ええ星の下に生まれましたなぁ ~あとがきにかえて
著者プロフィール
竹本住大夫
大正13年、大阪市生まれ。
人形浄瑠璃「文楽」大夫(昭和21~平成26年)。
重要無形文化財保持者(人間国宝)・文化功労者・日本藝術院会員。
平成26年、文楽大夫の史上最高齢となる 89 歳で引退。惜しまれつつ68年の大夫人生に幕を引いた。
「死ぬまで稽古、死んでも稽古」の精神で、「文楽の鬼」とも呼ばれることも。現在は後進の指導にあたっている。
10月15日発売