「伊賀越道中双六」の魅力 「岡崎」を中心に⑪
2013年11月28日更新
2013年9月27日 犬丸治FBより転載。
国立小劇場・文楽「伊賀越道中双六」第八「岡崎」は、観
既に戦前、菊池寛や和辻哲郎といった人々がこの「岡崎」
たびたび候補に挙がりながら、歌舞伎の「岡崎」上演が実
でも、生身の人間が演じるより、義太夫を耳で聴きながら
それに、子殺しが残酷、というなら歌舞伎では「盟三五大
「伊賀越」の政右衛門とお谷の物語は、「饅頭娘」に対す
ところが、諸般の事情で歌舞伎は「岡崎」が出ず、「饅頭
すると、ますます「饅頭娘」で政右衛門がお谷にとる「奇
文楽「岡崎」が上演されたのを契機に、改めて政右衛門が

- 犬丸 治 いぬまる・おさむ
-
演劇評論家
1959年東京生れ。慶應義塾経済学部卒。
「テアトロ」「読売新聞」に歌舞伎評掲載。歌舞伎学会運営委員。著書「市川海老蔵」「歌舞伎と天皇 『菅原伝授手習鑑』精読」(いずれも岩波現代文庫)ほか。